たしかめる/
伊月りさ
ひとりが
ふたりになっていくのがわかる
噛み合っていた歯が抜けていく
背中が剥がれて
一分が長い
あなたはあなたと会話する
わたしはあなたを盗み見る
ひとりがふたりになっていく
わたしはようやく詩が書ける
乖離の音はおだやかに
あたたかい部屋に余地を見つけて
わたしを戻す
わたしは戻る
ふたりになって
ひとりに戻って
いくのがわかる
さよなら
ただいま
おかえりなさい
戻る
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