たしかめる/伊月りさ
 
ひとりが
ふたりになっていくのがわかる

噛み合っていた歯が抜けていく
背中が剥がれて
一分が長い

あなたはあなたと会話する
わたしはあなたを盗み見る
ひとりがふたりになっていく
わたしはようやく詩が書ける

乖離の音はおだやかに
あたたかい部屋に余地を見つけて
わたしを戻す
わたしは戻る
ふたりになって
ひとりに戻って
いくのがわかる

さよなら
ただいま

おかえりなさい
戻る   Point(3)