葉女/小川 葉
 
 
細く伸びた指先に
今にも落ちそうな葉を
一枚残し
風に揺られて
誰かを待っている

灯りが消え
閉まる店の扉から
葉が一枚
駈けるように
夜空に舞い上がると

今あらわれたばかりの
月に赤く照らされて
二人は静かに
抱き合っているのだった
 
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