慈悲/ゆるこ
無知を笑う
それこそ最大の無知だと 君は知っているのか
ポルカのようなその微笑みで
借りた言葉を説いても意味はない
滲み出る/液体窒素の
その瞬きに
君の全能は埋め尽くされている
個を持つ事すら億劫なのに
揺られる恐ろしさを嘆くとは由々しき
・
いいよ、もう
痛みもくらげも本当は
水槽の中に
一つも存在しなかったのだと
知った
知ってしまったから
こうやって
空白に石灰を撒いているのだ
・
ぐらりと拡散する
視聴の先に 末期の
思考が分散し
液状に霧散、混ざり合わない
それが、悲しみ
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