そうだ、京都へ行こう!みたいなノリで。/ゆきちゃん。
ビールとファジーネーブルとカシスウーロンに私をぐるぐる巻き込んで
もう何もかも忘れたくなる
いつだって酒が飲みたくなるときは
どうせ君がらみで嫌なことがあったときで
いつまでたっても鳴らない携帯を
わざと歩道に投げ捨てた
友達はあっけにとられていた
私と君を繋いでいた唯一の物体が
車に轢かれて宙を舞いながら粉々になっていく
私はそれを見て笑う
「電波」とかいう得体の知れない暗号に
操られて
翻弄されて
そんなものでしか
君からの愛情を確認できていなかった
バカみたい
けれど問題は
粉々になってしまう少し前
聞き覚えのあるメロディが歩道から流れていたことだ
ああこの曲は
君からのメールを受信したときにしか流れない
そうだ
明日、朝いちで
ドコモショップへ行こう
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