鑑別〜till the winter me do part〜/伊月りさ
いても
しぶとい破片を踏みつけていた
わたしばかみたい だけどばか
みたいなんじゃなくて わたしばか
なの だって舌噛み切ったほうがはやい
細胞分裂したわたしの増殖した視床下部によると
有意義を探す脳みそに有意義な細胞などないので
加害も被害も、ここで終結させるのが最良なのだ
蛍光灯の紐をひく
それは消灯のような首吊りで
映す科学のすべてが冬で
大量発生の蓑虫が
刮目して眠っているが
刮目して眠っているので
今なら悲鳴を聞かずに済む、と
ずるい
わたしに火を放つ
熱膨張ではりつめて
胸腔みたいに世界が熱くて
正しくあえいでもがいている
自意識の呼応でもがいている
たくさんの
じゃうじゃうの手足しかない
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