鑑別〜till the winter me do part〜/伊月りさ
裏返しのミラーボールが
わたしを残して膨張し続け
鋭利はない、
鈍器もない、
じゃうじゃうの手足しかない、
わたしはわたしを壊そうとする
怖そうなわたしを壊そうと
するのにわたしを壊せない
だあれも殴ったことがない
わたしはわたしを壊せません
だあれも殴ったことがない
わたしは知っているからです、
わたしをつくったひとたちの
超効率的暴力 すなわち
排‐傷口/血液的暴力が
high効率だということを
察知、
さっきの憂鬱が
殺気だけの幽霊になって
わたしはわたしの破砕を見た
反射で一帯雪原になり
「きれい」と泣いて
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