たばこ 五首/
折釘
いたむ目に
また
煙り刺す
秋の空
誰か気づいて
夕立ちの人
仕方なく
灯すほのお
と
苦い液
吐き気がのぼる
気持ちは
おちる
どこまでも
ひとり
あなたの目の前で
口にくわえる
世界をもやす
カーテンを
透かす
光に
手をふれる
混沌のなみ
そのくらやみに
試練
とは
いつも
何かに隠されて
灰がこぼれる
皿のまわりに
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