人魚・1 〜接点〜 【小説】/北村 守通
真っ白な画用紙が、思い思いの色に埋め尽くされ、やがては無残に打ち捨てられるように、清純さは周りの利己によって泥まみれになるまで叩きつけられる運命にあった。芸術家というものは、残虐な生き物ではあるが、少なくとも痛みを共有することだけは怠っていない様に思える。否、もしかすると共有することを強いているだけなのかもしれないが。ともかく、何より困るのは凡人なのであり、彼等あるいは彼女等ときたら、自分がいかに残虐な行為を行っているのか、という意識がこれっぽっちもないのだ。彼等あるいは彼女等はモノは大切に扱わなければならない、という初歩的な道徳意識に欠けており、あるいはその欠如を”正義”と呼んで誇りにさえする
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