レフ/蟹太郎
 
 
 
 
澄み切った青は不気味だ
今にも飲み込まれそうだ
鏡越しでは
やけに小さく感じた
 
寡黙なヒロインを演じた
全て作り物の心だ
濁っているのか
端の方は鈍い色で
 
懐かしいだろ
鉄の味が
 
僅かに目を閉じたら耳鳴り
夜へ移る違和感からか
動かない右足
 
微かに背に感じる温もり
唯々この世界の
陰り崩れて行く中に
 
通り過ぎた少年の
瞳は空の色に似ていた
 
 
 
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