ブルーブラック/いねむり猫
ブルーブラックのインク
闇の色に一番近く
夜空の星の にじむ輪郭を描く
深宇宙の色彩
ブルーブラックのインクが着いた指先の染みに
不器用な恋と発熱の記憶がうずく
大学ノートと 夢中で書き続けた世界の真実
ブルーブラックのインクで書かれた文字は
過去を背負って 早く年を取る
書きしるされた世界の姿は
形を変えるのが 速すぎる
白い紙ににじむ思いと
言葉にするために切り捨てた この身の余韻
本当は
切り捨てられたものたちこそ 世界に近い
ブルーブラックの深い闇に
暖かく沈められて行く 言葉たち
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