ナンセンス/信天翁
 
つつじが丘はのんびりと
マリンパークの波頭を聞きながら寝そぺっている
まるで「時」に無頓着だった過去の自分のように
(赤い夏の夜のゆめを束ねられたのか)

つつじが丘はおどおどと
竹藪の伝説を聞きながらちぢこまっている
まるで「時」を浪費している現在の自分のように
(小雀の臨終を見届けられたのか)

つつじが丘はほそぼそと
ニンフに向かってはつはるの祈りを捧げている
まるで「時」に収斂される未来の自分のように
(山茶花の血糊にいとおしさを覚えたのか)

             (2009/1/2)
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