原稿用紙二枚分の悲しみ/げ
本当であれば黙ってぐっと堪えるか、
破綻している論理のまま敢えて反論してみるのが
言葉に誠実な人のあるべき姿なのです。
そもそも「酔っていた」で片付けられるのであれば
どんな二枚舌を使って都合の悪い方だけ
後日酒のせいにするという人でなしをば、する事が出来るでしょうか。
無論、もし、プロであれば
いつでも書くと言う作業と自分との距離を
正確に測れるようでなくてはなりません。
いつも気づかれないように孤独の拳銃を持ち歩き、
ドコから誰が襲ってきても
相手の胸を打ち砕けるようなセリフを用意しなければならないのです。
たとい宝くじが当たったり、
片思いのあの人から突然メールが来た瞬間でも、
そこに悲しさを見出そうとする努力こそが作家性であると、
そんな事を考えながらいつものように携帯に打ち込み打ち込み家のドアあけると、
帰り際セブンイレブンで買ったスープカレーが
いつの間にか傾いていて汁が半分以上こぼれている事に気付きました。
これが今日一番の悲しみです。
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