あなたは僕の/
小川 葉
笑い飛ばすに決まってる
だからもう
僕は書かない
あなたが過去の人になってしまった
というようなことなど
僕にはこれ以上
書けないのだから
笑い飛ばして
それから
まっすぐ僕の目を見つめて
泣いて抱きしめてくれるなら
僕は
あなたなしでも
やっていけるから
あなたにはじめて会ってから
二十年が過ぎていた
あれからずっと
あなたは僕の心の中に生きている
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