陽気なポルカ/k.ジロウ
◆君はあの狼の群れを見たかい?月が僕にささやいた。
君はあの岬の向こうの羊番だろう?私は知っているよ。
月は何か人違いをしていた。僕はあの岬の上の墓守だった。
月は何か嬉しいようにささやいた。僕は羊番の振りをした。
なぜなら、彼らは神から祝福されていたから。
僕は、いつも、嫉妬していた。
◇
君は早く帰って羊たちに知らせたほうがいいよ。
君はあの岬の向こうの羊番だろう?私は知っているよ。
月が嬉しそうに僕に話すのは、神の祝福が欲しいから。
月が誰にでも美しい光を投げかけているとは限らない。
なぜなら、僕は暗い気持ちでいたから。
僕は、いつも、嫉妬していた。
◆
君はいつ
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