白昼/
風音
白昼
上っていく太陽は
まるで
出遅れたランナーだ
誰も見ることもなく
ありきたりで
ありふれている
本当は
この地球に
光とぬくもりを
伝えてくれているのに
僕は彼女の目線を追う
いつもそこには
彼がいる
僕にとっては
ありきたりの
ありふれている男なのに
彼女は
こんなにも狂おしく
僕を照らし熱を発し
それにさえ
気づきもしない
一番ありふれているのは僕
誰も輝かせず
ぬくもりを与えることも出来ず
ただうずくまっているだけなのだから
戻る
編
削
Point
(4)