進化論/雨を乞う
 
 

月のにおいに騙されて
何度も弄ってみたけど
君はとうに冷たくて
はだけた呼吸がきこえない

窓のそとは晴天で
あしたの海を汚している
僕らはよごれた布のうえ
ほおに波だ、と眠っている

誰かが落としたひかりの輪
骨身もろとも砕けても
君のこたえが聞こえない
僕らのこえは届かない

たくさん命を頬張って
僕らは大きくなっていく
神様のいない平原で
次のこころに進化する

二番目の星が遠すぎて
ほうりなげた学術書
さようならのかわりにね
僕がピアノを弾いてみよう

まわるなまわるな僕の星
詮索するのは無粋だな
君のいのちを食べつくし
出したこたえは間違いか?

 
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