終わりの十五。/榊 慧
 
決定的に違うのか。おそらく危機感が違うのだろう。
俺は15年目の冬を越す。15歳、というのはきっと大切なものなのだろう。何となくそう思う。この「異常」で「異質」な俺の15歳は大切かどうかまだわからないが(恐らくそれは大きくなってから思うことであるのだろう。)、間違いなく「異常」で「異質」な俺にも平等に「15歳」は来た。これから何年、この悲しみを味わうのだろうか。俺はただの15歳でしかない。




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