あなた/水城 徹
需要と供給の成り立った関係が嫌で
[無償の愛]なんて難しい言葉を使って誘ってみたけれど
やはり誘いには応じてくれなかった
いつも通りのデートをして
溢れるものをバレないように隠して
さよならすれば良かっただけなのに
パンパンに膨らんだ財布はしぼんだ水風船となり
また肺に汚れた空気を運べばいいだけなのに
繋いだ手が暖かいと思うのは離したくなかったから?
馬鹿な考えは止めよう
またトイレから出られなくなってしまうから
二人でピースしてる写真
旅行先で買ってくれた綺麗なネックレス
頭の中で走馬灯のように繰り返される思い出という名の映像
ズキズキ痛む手首から 涙よりも溢れ出る血液を見つめて
初めて会った日のことを考えてばかりいる
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