掃除の時間 〜延長コードと僕〜 /服部 剛
 
少し前まで賑(にぎ)わっていた 
デイサービスのお年寄りが帰り 
部屋ががらんと広くなった 
掃除(そうじ)の時間 
いつも掃除機をかけるおばちゃんが休みなので 
「じゃ、俺がやるか・・・」と掃除機を手に 
がらんとした部屋とだだっぴろいロビーの
床に落ちた埃や塵を一人吸い取ってゆく 
近くでテーブル拭きをしながら
珍しそうに僕を見る同僚に 
「家でも掃除機なんてしたことねぇよ、 
 今起こってるのは奇跡だなぁ・・・ 」 
眉間にしわを寄せながらも 
いつになく妙なヤル気を出して 
床の隅から隅まで 
掃除機をかけてゆく 
ぐうたら者のこ
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