さがしつづけてしまう/石川和広
 
悪戯がからだに忍び込む
その悪戯がうるさいのだよ

うるさいのは…なんというか
空を満たす透き通った布切れだとか
電気の波だとか
話し声
それらに押し流される私の意思
意思なんかカケラみたいにどんどんこの
この当たり前の世界にそれらしく流されていくのだが

その極めて私的な事実が己の力を奪う
いや誰が奪うでもないけど
けど、骨抜きになってスカスカんなって
それはもう不愉快な愉快だ

首を回す
足を伸ばす
身体を左右にひねる
ふくらはぎも伸ばして
からだを大きく旋回
背骨や筋肉の間に隙間をつくらないと
それぞれの間の血流が傷んですぐに
くるしくなってしま
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