もったいないおばけ/
ローザ
日だまりの車内で
広がったしあわせの唄
口ずさんで数秒
声の重なる時は
いつも 同じ
お気に入りの
澄んだ高音の
サビのとこ
大体どっちかの声が掠れて
「よくこんなに声がでるね」って
照れ笑いする
そんなじんわり暖かい
ある日が
人生のちっぽけな1日として
埋もれるのが
こわい
ぬくもりは
冷めて消えた と
気付く瞬間を
恐れて
笑う
不安を見なかったふりして
笑うんだ
泣けよ
わたし
己で悼まなきゃ
かなしみも成仏できないさ
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