雪のひとひら/小川 葉
仙台は変わった、と人は言うけれど、私はそうは思わない。たしかに、形而下の変化はあるにしても、変わったとすれば、それは人が変わったのだ。街を歩けば、古い地元の店は、休日だというのにシャッターが下りてるし、それとは対照的に賑わう、中央から進出してきた店などを見てると、私はこの街が変わったのではなくて、人が変わったのだと思うより他はない。
「ご存知のとおり、秋田の実家の店は潰れました。わかりきっていたことです。ものがあれば売れる時代があったのはたしかだけれども、そうはいかない時代も生きてるうちにやってくるということが、なぜわからなかったのでしょうか。などと、故郷を捨てた、自分がそんなこと
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