鳥/アンテ
次はあなたの番です
鳥が丸い目をくるくるさせながら言った
そんな なにかのまちがいだわ
だってわたしまだこんなに若くて元気なのよ
反論しても無駄だった
鳥は粛々と書類を広げて
わたしの名前を指し示した
人は決まった順に死ぬ
鳥がまちがうことは
絶対にない
あと何日あるの
鳥の視線が架空の時計を探して彷徨った
七時間二十四分三秒です
そんな 半日も残っていないなんて
鳥は連絡が遅れたことを丁重に謝ってくれた
でももちろん時間が延びるわけじゃない
とにかくあと七時間二十四分なのね
二十二分四十八秒です
と鳥が訂正した
わたしは絶叫して電話に飛びついた
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