十年の、事実/プテラノドン
メインレースは悲惨な結末、突風に吹き荒れた
駐車場を後にした。
赤信号に変わろうかという時に友だちが言った、
大外からまくれるぞ。俺たちなら行ける。
僕はアクセルを踏み込んだ。行けるかもしれないと。
「みろ、やっぱり無理じゃないか。」僕らは言った。
それから、大井競馬場前の交差点で
立ち往生するはめになった
車のボンネットに向けて皮肉を言った二人組の男に
僕らは罵声を浴びせた。
膝をついたそいつら二人に大丈夫?と声をかけた。
抗ったつもりかよ。災難だったな。皆てんで別々に笑っていた。
でも、交通誘導の警官が来るとは思わなかった。
赤ら顔の僕らを見て、「アルコール検出の必要
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