恋詩でも書きましょうか。/見崎 光
触れたら溶けてしまうほどの
弱い零度で繰るんだものは
あなた仕様の想いです。
格子の向こうで微笑む陽になぞられただけで
露わになる想いを守る腕は
とうに限界を越えているけれど
他の誰かでは規格外な想いだから
簡単に差し出すことは出来ないのです。
涙を集め氷のガラスを組み立てながら
抑えた声を施していく夜は
寒さがやけに身にしみて
荒げて鳴きたくなるけれど
ひっそりと象られた紋様に魅とれて
あなたへの想いを
静かに飲み込むのです。
あなた…
わたしとの間に
あとどれくらいの雪が降りたなら
芯まで温めてくれるのですか。
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