/rabbitfighter
 
どこかとても遠くでものすごい音が鳴った。
その音は周りにいた人たちの鼓膜を破ってしまうくらい大きな音だった。
俺の部屋でも聞こえた。
遠く遠く離れた俺の部屋でもその音は聞こえた。
でもあまりにも遠すぎて、それは誰かが囁いているようにしか聞こえなかった。
暗い部屋の角で、膝を抱えてしゃがんでいる音叉みたいに、小さく震えながら囁いていた。
ラップトップの画面が囁きだす。テレビが囁きだす。新聞もラジオも囁いている。
どこか遠くでまた爆撃が始まった。
停戦協定は合意されなかった。
車内広告ですら俺に囁きかける。
俺は頭がおかしくなるけど、狂ってはいない。
チューニング用の音叉を膝に打
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