雨の国/
ローザ
の音が心地よく
夢路の旅人であることだけで
満足しよう と
うつし世の
意識を手放そうとする
目が覚めたらば
おそらく
視界は晴れて
私は
またも乗車券を
取り損ねてしまったことを
がっかりせねばならない
しかし 仕様がないのだ
もうすぐ
ここは
夏に 身を焦がす
抜けた色の天を
健気にも見つめ続ける
黄金色の花にも
私は
未練があるのだ
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