ガザ/モリマサ公
 
朝日が昇る前に今一番好きな人の誕生日が来る
あたしはプレゼントをえらべなくて
そのかわりに周囲をうろつくのをやめることにした
おもいが超つのる

目を閉じると手のようなものがムスーにあらわれて
クレーンがのびて鉄材をはこび
人のいない時間の渋谷の街の輪郭線やネオンが重なり
緑色のちいちゃな知らない女の顔がぽつんと浮かんで消えて
たくさんの線がいっぱい見えた
地点として限りなくゼロにちかいその場所は
核の実験
もしくは
成功したテロの跡地だ
あたしは今うまれたばかりみたいに無防備で
誰かの両手のひらで持ち上げられているところ
エブリシングデッドした砂漠を南下
マイノリティを除いては
我々は常に冷静な目であり耳である
シャッターを切り続ける
まだあたたかい子供らの血が染み込んでいく部分について
偽善というアングルにながれこんでくる口笛のヒュー
俯瞰という瞬間にすら星たちは全部気が狂ってる
光の早さでしか行けないような遠い場所でいつも
燃えたり爆発しながら

ワー


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