日々の想い/kauzak
次女は毎朝
長女は毎晩
鈴を鳴らして
仏壇に礼拝する
その度に彼女たちは声にならない声で
何事かをブツブツと話していて
何を話しているんだい/と、尋ねてみても
えー秘密/と、はぐらかすばかりで
僕はといえば
手は合わせるけれど
いつも頭に思い浮かぶのは
無事に生きている感謝だけで
仏壇に向かって
そして自分自身にも向かって
日々の想いを語りかける余裕もなくて
瑞々しさを失った仏壇の花が目に留まり
取り替えなくてはと思いながら
小菊って簡単にはしおれないんだと
生命力の強さに驚いたりする
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