「知る」ということ/さとう 星子
私は知りたい
この世界には
どんなものがあり
どんな意味があるのか
私の中の子供は何でも知りたがった
たとえ暗黒の苦しみを味わおうとも…
純粋にただただ
知りたかった
ときに、「愛」という言葉が
とても綺麗なものに思えたが
それは単なるイルミネーションに過ぎなかった
ときに、「大人」という異質な要素を
コンプレックスに感じたが
それは子供の幻想に過ぎなかった
このイノセントな時代では
「知る」ということが
無意味なものに思えて仕方がなくなる
悲しみにも似た空虚感が押し寄せる
「知る」ことで怖さを覚えたとしても
それはきっと
この世界を少し分かり始めた証拠だろう
私はいつまでも訴え続けるだろう
「この世界をもっと知りたい」
と
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