クロスレット・シルバー /
いすず
ある、と今はなきやんだ羽鳥がクルスの付け根をゆびさした。
クルスの丸くなった付け根の部分に、十字架の紋章が刻まれていた。
「クルスもひとりじゃなかったのね」
ほんの少し、声をくぐもらせながら、ひと呼吸してくくっと羽鳥が笑った。
「あ、今ないたカラスがもう笑った」
千尋の声に、羽鳥はもう一度あかるい笑い声をたてて笑った。 Fin
戻る
編
削
Point
(0)