ねぇ/乱太郎
 
ねぇ

君はもう寝てしまったのかい
今日は一度もメールくれなかったね

ねぇ

君はなにかむくれているのかい
昨日まで毎日メールよこしていたのに



百合よりも薔薇が好き
優しさだって傷つくもの
そう言った君
瞳の奥を見つめて

都会の夜景は僕らには眩しすぎたのだろうか
タワーの最終のエレベーターに駆け込んだ僕ら
漏れてくる息が
地上のイルミネーションに落ちていく

僕らは闇に溶けて行って

綺麗だね

寄りかかった手摺りに
刻んだ一言
赤緑の空間にひとつだけ
流れていった淡い光り



今夜も点滅している
僕らのことなど忘れて

ねぇ

君は
いま
どんな夢を

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