月夜/kauzak
 
月が
30Wの白熱電球の輝きを持って
フラリと空にある

都会の冬の夜空では
どんなに空気が澄んでも
瞬ける星は数少ないから

月は遠慮なしに
夜空を支配できるというのに

少しの暖もりを抱いた光を
静かに地上に注いでいる

だから眼下に広がる街並も
安穏として眠りについている
明日へと思いを馳せて
戻る   Point(6)