寒さよりもしみとおる孤独に 大地は沈黙している 屹立する枯れた木は 信じる力を失い 他人の顔をした 春の訪れを恐れている 蟻の巣は崩壊し 土竜(もぐら)は朝 死んだ 死の眼前に水たまりは 虚ろな青を映している 凍える風は吹いても 雪さえ降らない 荒涼とした季節 君の気配が感じられない 初めての冬 蒼い翳(かげ)りが空から降りてきて 振り返った君は さみしそうにほほ笑む そんな妄想だけが 微かに暖かい 青も白と灰に 混濁してきた