歩道橋/
松本 涼
遠い世界のてのひらで
君は自由と笑う
熱を逃がさないように
風に切られないように
この世界の足元に
君はそろりと帰る
次の予告もしないまま
無駄な言葉を恥じたまま
また君は時を滑る
僕の知らない太陽に
君は目を細める
君の知らない雲間に
僕は漂う
歩道橋のように
僕らを繋ぐ一瞬は
お互いを
別の場所へ導くだけ
擦れ違う僕は振り返り
君を攫う
てのひらを見た
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