多角形な体/かいぶつ
恋人たちが
裸になる夜は
計算が合わない
数が音に
なってゆくから
建築物の息づかいも
聞こえてきたよ
スポンジみたいな
緻密なリズム
さびしさの背中に
スプーンを落としてしまうと
無口な泳者たちは
潜ったっきり
戻ってこなかった
*
物知りな子どもは
夜更かしをする
星座とあやとりを
するために
清算するために
眠るひと
太陽が落とすオレンジ
今朝もひどく酸っぱい
僕の鼻梁に
降り積もった
冷たい光の斜面
あなたが滑走してゆく
真っ白なスピードで
*
牛乳の海
そんな白昼夢
嫌いな授業は
給食でした
ラムコーク色の夕暮れ
気の抜けた空想をして
大人と子どもの
良いとこ取りをする
何がそんなに
可笑しかったんだろう
それでも僕はまた
多角形に笑いたい
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