優等生/さとう 星子
「優等生」という響きに
たまに懐かしさを覚える
突っ走って
横に誰かいないかいつでも確認して
98点だった時は残りの2点を
異常にも責め立てる
そんな私を
どこかみんな遠い目で見ていた
そんなことにさえ
優越感を感じながら…
「栄枯盛衰」
昔の人はうまいことを言ったもんだ
貪欲さは
こんなにも人を奈落の底に陥れるのだろうか
今はもう
いろんなことを削ぎ落とし
深い根っこだけが
体に張り付いているような気さえする
今思えば
「優等生」という
私の中にカテゴライズされてしまったものから
はみ出ることは許されない
そう思っていたのかもしれない
本当は
ともだちがほしかったのかもしれない
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