白飯/ゆうさく
 
ビニイルの中から
米をとる
まだ少し
土のついた米に
虫が寄り添う
カップにゆっくりとり
一杯ずつをかみしめ
炊飯器がそれを食らう
そうして
ぼくの部屋は青くなる
 
静かにとぐ
白い米ぬかが
涙をさそい
また、ぼくは
やさしくなる
 
この米をつくった祖父は
死んだけど
米は生きてる、っていう
矛盾が美しいんだ
しいんだ
しんだ
 
米をとぐ
みずと、うず
からまって
くるりと重なって、けど
雪肌のようだった、
あなたのしわを
神は面影さえも
残してくれない
 
といだあと
水を入れたら
まだ白は
水と混ざって
いたかった
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