残響業績/フミタケ
 
3歳の女の子をうしろに乗っけて
ノーヘルで夜を走ってる
リスのような目をしてあの街の向こうのカーニヴァルを探して
無灯の盗んだバイクを転がしてる
行き着くのは失望か欲望か
動物的な笑顔の喪失なのか
ボーリング場の巨大なコーンだけが夜の闇に浮かび上がり
孤立した郵便ポストだけが寒々しいわけではなく
僕にはもう
カーニバルの予感がしんで
あるのは卑猥なウネリばかり
スキンシップ問題と猫アレルギー対策に興じるんだ
僕を鬼だと罵る女の子たちの嬌声がクッキーの匂いを絡ませて
非常階段に反響し、
「いけない事かい?」って指を絡めた思い出だけで惨めに死んでいけるよ

ケーキみたいに積み上げられた読みかけの本に消耗し慰め合いたい
残響業績
寝静まった夜の
残響業績
昨日のヘッドラインにみんな注意力散漫
残響業績
あの子はきっと夢の中で愛を放って
残響業績
深夜2時にスライドしていく天体
残響業績
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