残響業績/フミタケ
階段を振り返ると
目が合った
幼い頃からの呪いを秘めた寂しそうな瞳
だからその娘と友達になったんだ
快活さの嘘と
淡白を装う情熱で
それでも最後には彼女の選んだ通りになるよ
その娘のにだけ聞こえる音楽の振動だけが僕に伝わる頃には
木枯らしが公園の軸をなぞり
派手なニット帽の老人がゴミ箱で円を描く
公団住宅の窓という窓からコンドームが投げ捨てられて
ハルキストにはうんざりだと駆け込む井の頭線
ここでは誰もが何もかもが
何年も変わらない永遠の瞬間のような今に
肘と肘をこすり合わせて
歪んでいくかさもなくばツルツルしていくか
今が緩急の見分けもつかず
携帯電話のディ
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