女友達/小川 葉
いつのまにか知り合って
いつのまにか朝を迎えていた
という状態は
どこか戦後に似てないだろうか
男と女
侵略するものとされるもの
その分け隔たれた
存在であるというだけで
戦争は終わらない
ということは
とても不幸なことではないか
こんな詩を
書いてしまうことが
僕自身
いよいよ武装しはじめてる
という
証拠なのかもしれないけれど
武器のない世界とは
死ぬまでに
君と僕には何もなかった
という
新しい時代の
幕開けなのかもしれない
温泉宿で
次に会うときも
僕はぶっ倒れるまで
酒を飲むだろう
友情と書かれた
プラカードを持つ
裸の女が行進するその前で
僕は息絶え
これまでにはない
まったく新しい朝を
迎えることができるだろう
けっして
大袈裟ではなく
それは人類の
永遠の愛と平和のため
という決心に
どこかとてもよく似てるのだ
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