夕暮れ/
綿花
君に似通う、後ろ姿
君に通じる、甘い香水
君が好んだ、帽子の形
君が馴染んだ、窓際の席
君が望んだ、最新刊
君の痕跡はどこにでもあって
僕はいつでも君の思い出に触れられる
なのに
君が愛した、僕
それだけがどこにも見つからなくて
僕は途方に暮れている
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