アラスカ2〜星野道夫/鈴木もとこ
かりして、機内誌で飛んでいる場所を
確かめようと前の座席ポケットに手を伸ばした。
何だか隣の人がこちらを見ているような気がする。
ちらっと見るとそこには、人懐こそうな青い瞳とスリムな体にネルシャツ・ジーンズ。
まるでジョン・サイモン(ザ・バンドのプロデューサー)のような風貌の見た目40代
の男性が、こちらを見て笑いをこらえていた。
「あんた、何回も窓に頭をぶつけていたよ。何回もだよ」
「・・・あぁ、そういえば・・・」
おでこがちょっと痛い。ちゃんと起きていようとがんばっているうちに、グラグラして
頭を窓にぶつけていたようだ。
ウトウト・・・ガンッ!はっ。・・・ウトウト・・・ゴ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)