ひとつずつことばじゃないけどにゅるにゅる/れつら
おかあさん、を呼ぶときにいつもおかあさんは一りなのだった、いちめんに町風景が広がっていても、こわいのは夜帰る道、たんぼのなかでにゅるにゅる光っているものがあればそれはヤバいからやめり、といわれるのが遅い畦の中、おののきながらカタクチイワシのかたまりを頬張ると甘めの雨、雪になる前。
クラウチングスタートのほうがずっしりと重い短距離のなごりで、伸びていく同級生の脚力をみていた。メートルからメートルをわたしてキロメートルになるのが落ち着かないのだった。痛ましいやぶさめが破れた的めがけ駆ける途中放たれる洟垂れを眺めると転寝、コロンでは消せない入念な体臭が鼻からは香り。
にゅるにゅる、の正体をあばく隊はうごめいてなくなっていくのだった、街角から右折すると田舎で、その通りで。柿かけた秋の残した雪がなくなってから春、の酔いのころには二十歳を過ぎて母を呼ぶこともなくなる博学のあたまの灰色。ハイイロといえばアスファルトなのだった。あしもとのにゅるにゅるは全く怖くもなく、にゅる、というよりはみみみみみみみみみみみみ
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