ほしくずたち/山中 烏流
 
 
 
 
 
・あいじん
 
雨の色に濡れる
言わば、瞳にも似たひと
 
歌うように憂うものだから
永久という箱に
追いやられてしまった
 
 隠れる、ようにして
 
 
・かしかり
 
貸し出したのは
黄色い花びらと綿毛、それから
くだらない言葉たち
 
結局、いつまでも
言葉だけは返ってこなかった
 
 最後よりも、長く
 
 
・さくばん
 
覚めてしまう現実に佇む
 
潮が満ち、引くように
睡魔の声を聞いた
 
世界観の端っこで
それは、泣いているのかもしれない
 
 例えばの話、だけれど
 
 
・たまし
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