名前/ろくましん
祭壇に引っ張り出された若き姦婦は
蔑みと好色の視線に晒された
人々の前で命ぜられることを演ずるだけで
高額の報酬を手に入れることができた
彼女は選ばれた者が感じる高揚感に陶酔したが
自分の支払った代償の重さは知らなかった
+
彼女には「売女」の名前が貼られた
誰とでも寝る女、セックスでお金を稼ぐ女
男達は彼女をその名前で侮辱しながら
彼女を求め、その肢体に興奮した
精液に濡れる指で何度もREPLAYのボタンを押した
何千万の男から何億回も犯された
+
彼女は次第に自分に向けられる視線が
変化していることに気がついていた
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