友達/小川 葉
なぐさめ方が
せつなすぎるから
苦笑してばかりいたけれど
ちゃんと泣いてくれる君の横顔を
ろくに見ることもできないで
最後にはいつも涙が零れていた
北風が目にしみるね
ふたりの顔は雪まみれなので
泣いてるのかさえわからないから
つらいことなんて
すぐに忘れてしまえる
人は生きていくだけで
と言いかけたのは
君だったのか僕だったのか
きれいな色は
まじりあうと濁ってしまうから
たしかそんな歌を歌っていた
君の横顔を見つめながら
僕はいつまでも
いつまでもうなずいた
人は生きていくだけで
と言いかけて
もう何も言わなくてよかった
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