友達/小川 葉
 
 
なぐさめ方が
せつなすぎるから
苦笑してばかりいたけれど
ちゃんと泣いてくれる君の横顔を
ろくに見ることもできないで
最後にはいつも涙が零れていた

北風が目にしみるね
ふたりの顔は雪まみれなので
泣いてるのかさえわからないから
つらいことなんて
すぐに忘れてしまえる

人は生きていくだけで
と言いかけたのは
君だったのか僕だったのか

きれいな色は
まじりあうと濁ってしまうから
たしかそんな歌を歌っていた
君の横顔を見つめながら
僕はいつまでも
いつまでもうなずいた

人は生きていくだけで
と言いかけて
もう何も言わなくてよかった
 
戻る   Point(7)