(無題)/キキ
スニーカーのひもを結びなおして顔をあげる
あたたかい冬の日に遠い風が吹き
何度でもほどけていくこと
立ち止まって教えてくれる、ひと
あれから、
の起点が見つからない
迷子の羊が横断歩道を渡っている
羊信号は青だから
その背で、やわらかい毛に頬をうずめて
安心しているヒトの仔
ときどき寝返りをうつように首を回し
あの雲の行き先を確認する
星のようには
いま在る場所を教えてくれないのが
取り残されていくようなのがよくて
もう自分ではどんな出来事も結びなおさないと決めた
肉食の地平で
アフタヌーンティの
よい香りがする
カップとソーサーのぶつかる音で
もうすぐやっ
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