言葉の海/ろくましん
 
頭の中は海のようで

たくさんの言葉が泳いでいる

言葉は魚

釣竿を垂らすと

たまたま言葉が一匹釣れたりする

その言葉を餌にまた別の言葉を釣る

その繰り返し

雑魚は海に返す

まずそうな言葉も海に返す

ある程度、たまったら

今度は桟橋に並べてみる

立ち上がって、言葉の整列を見ながら

順番を入れ替える

気に食わない魚は餌にして

また別の魚が釣れるのを待つ

夜が来て朝が来るまで

その繰り返し

あまり時間が経つと干物になる

干物になった魚はひとには見せられないけど

食べると、おいしかったりする

考えてみると

ぼくは釣りが好きなだけで

詩を作っているのではないかもしれない

今日はどんな魚が釣れるのか

と思うと

それだけで十分楽しかったりする


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