冬恋/
高杉芹香
風が強くて
きみがくれたシュシュと共にあたしの長い髪を揺らした。
新宿のイルミネーションは
前を歩くふたりを包んでいた。
つい今まで
別れ話をしていたのが嘘のように
ふたりはふざけて笑っていた。
振り返って
あたしの名前を呼ぶ彼は
あたしとの関係を彼女に話さないままだった。
きみはずるい。
あいつ。チーズケーキ、食えないんだ。おれ、好きなのに。
だから、お前は、おれとこれからチーズケーキ食う仲ね。
なに、それ。
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